本稿は,明治初期小新聞における〈娘〉の三味線習得をめぐる議論の検討を通じて,同時期における青少年女子の遊芸習得の社会的位置づけについて考察する。近世後期において三味線は,武家奉公を目的とする町人層の青少年女子に習得されたが,明治初期小新聞において,編集者側,投書家双方から,就学を妨げる因習として批判に晒される。ただし,当時,就学を通じた将来像が社会的に共有されていなかったため,とりわけ投書家間で,青少年女子の三味線習得それ自体への批判は徹底しなかった。以上から,「国家に益なき遊芸」観が支配的だったとされる明治初期において,青少年女子の遊芸習得が完全には駆逐されがたい状況にあったことを示唆する。Doctor Course, Graduate School of Education, the University of Tokyo/JSPS Research FellowThis paper considers the various aspects of the social positioning of girls\u27Yugei acquisition in the periodthrough an examination of the argument involving the Shamisen skill acquisition of a “daughter” in a smallnewspaper of early Meiji.Although the Shamisen was mastered by the young women in the townspeople’s social class with the aim ofservicing samurai...
個人情報保護のため削除部分あり山崎闇斎によって唱えられた神道説である垂加神道の受容過程に着目し、垂加派の神道家が近世社会の中で文化資本をどのように獲得し、また再配分していったのか、を本稿では考察した。...
明治後期の改正教育令(明治13年)の公布以来、わが国の学校教育において筆頭教科であった修身科の授業は、1945年(昭和20)12月31日に連合国軍総司令部(GHQ)によって出された四大指令の一つ「修身...
特集 : 山本明コレクション福家崇洋, 上田学 編Special Issue: the Yamamoto Akira Collection本論文は, 「山本明コレクション」(京都大学人文科学研究所所蔵...
わが国における近代思想史の発展過程において、教育制度の普及発達という広汎なその地盤が、従来あまり顧られなかつたことは、その記述をとかく一面的なものとした理由の一つである。人民の欲求と思惟がいかなる型態...
明治後期の日本において,「女学生」は「女子学生」という字義上の意味以上のものを人々に訴えかける存在であった。本論では,高等女学校の成立過程,女学生を主人公にした文学作品の分析などを通して,「女学生神話...
「ethics」の訳語である「倫理学」は、明治期に新しく定着した語である。その受容と展開をたどるには、「ethics=倫理学」と「国民道徳」の関係を明らかにすることが必要になる。本稿では、まず『明六雑...
本論文の目的は,少年雑誌に残された書き入れから,明治期の雑誌と青少年の読書の実態を検討 することにある.明治期の少年・少女雑誌と読者については,これまで投稿欄の分析を中心に多く の研究が蓄積されてきた...
本稿は、台湾の日本植民地時代(1895~1945)のなかでも特に1920年代に活躍した台湾知識人たちの教育に関する要求内容を、当時彼らによって発行されていた民族雑誌記事から明らかにするものである。従来...
従来の討幕派についての見解は、いわゆる長州藩『正義派』についての奈良本辰也氏の規定である郷士=中農層論を中心に論議が進められている。この奈良本理論には多くの批判がよせられているが、その基本点は必ずしも...
憲政擁護運動の意義は、今日的課題としても、あるいは大正デモクラシー究明のためにも、きわめて大きい。しかし、従来の研究では、根本史料にふれたものは、ほとんどない。本稿では、紙数の関係上、その前史として、...
子どもに関する制度が変わるときに,それを子どもの視点で検証することはできるだろうか。子どもに関する制度について,子どもの視点から評価するにはどういう方法があるだろうか。この研究では,これらの方法を探る...
十六世紀中葉からのヨーロツパ諸国との交流を契機として、天文学的理論・世界知識・世界地図などの分野を開拓されたわが国の地理学は、いわゆる蘭学の興隆によつて、地動説などのより新しい展開をみせはじめた。この...
publisher奈良近世の幕藩体制社会が、厳密な意味で近世的国家であったかは疑わしい。鎖国という政策そのものが、国家としての資質を失わせるようなかたちで進行し、幕藩体制は国家としての努力を放棄するこ...
わが国の国語教育は、「言語生活論」が主唱されながらも、「言語能力主義」の主張に押され、長らく教科書教材に依存した詳細な読解中心の実践が展開されてきた。その結果、国語学習は生活から離れたものになり、学習...
本論文では, 日本を代表する映画評論家のひとりである今村太平(1911-86)が, 映画を中心としたメディアを論じることで, いかに社会秩序を模索したかを考察する。今村は, 日本映画評論史において独自...
個人情報保護のため削除部分あり山崎闇斎によって唱えられた神道説である垂加神道の受容過程に着目し、垂加派の神道家が近世社会の中で文化資本をどのように獲得し、また再配分していったのか、を本稿では考察した。...
明治後期の改正教育令(明治13年)の公布以来、わが国の学校教育において筆頭教科であった修身科の授業は、1945年(昭和20)12月31日に連合国軍総司令部(GHQ)によって出された四大指令の一つ「修身...
特集 : 山本明コレクション福家崇洋, 上田学 編Special Issue: the Yamamoto Akira Collection本論文は, 「山本明コレクション」(京都大学人文科学研究所所蔵...
わが国における近代思想史の発展過程において、教育制度の普及発達という広汎なその地盤が、従来あまり顧られなかつたことは、その記述をとかく一面的なものとした理由の一つである。人民の欲求と思惟がいかなる型態...
明治後期の日本において,「女学生」は「女子学生」という字義上の意味以上のものを人々に訴えかける存在であった。本論では,高等女学校の成立過程,女学生を主人公にした文学作品の分析などを通して,「女学生神話...
「ethics」の訳語である「倫理学」は、明治期に新しく定着した語である。その受容と展開をたどるには、「ethics=倫理学」と「国民道徳」の関係を明らかにすることが必要になる。本稿では、まず『明六雑...
本論文の目的は,少年雑誌に残された書き入れから,明治期の雑誌と青少年の読書の実態を検討 することにある.明治期の少年・少女雑誌と読者については,これまで投稿欄の分析を中心に多く の研究が蓄積されてきた...
本稿は、台湾の日本植民地時代(1895~1945)のなかでも特に1920年代に活躍した台湾知識人たちの教育に関する要求内容を、当時彼らによって発行されていた民族雑誌記事から明らかにするものである。従来...
従来の討幕派についての見解は、いわゆる長州藩『正義派』についての奈良本辰也氏の規定である郷士=中農層論を中心に論議が進められている。この奈良本理論には多くの批判がよせられているが、その基本点は必ずしも...
憲政擁護運動の意義は、今日的課題としても、あるいは大正デモクラシー究明のためにも、きわめて大きい。しかし、従来の研究では、根本史料にふれたものは、ほとんどない。本稿では、紙数の関係上、その前史として、...
子どもに関する制度が変わるときに,それを子どもの視点で検証することはできるだろうか。子どもに関する制度について,子どもの視点から評価するにはどういう方法があるだろうか。この研究では,これらの方法を探る...
十六世紀中葉からのヨーロツパ諸国との交流を契機として、天文学的理論・世界知識・世界地図などの分野を開拓されたわが国の地理学は、いわゆる蘭学の興隆によつて、地動説などのより新しい展開をみせはじめた。この...
publisher奈良近世の幕藩体制社会が、厳密な意味で近世的国家であったかは疑わしい。鎖国という政策そのものが、国家としての資質を失わせるようなかたちで進行し、幕藩体制は国家としての努力を放棄するこ...
わが国の国語教育は、「言語生活論」が主唱されながらも、「言語能力主義」の主張に押され、長らく教科書教材に依存した詳細な読解中心の実践が展開されてきた。その結果、国語学習は生活から離れたものになり、学習...
本論文では, 日本を代表する映画評論家のひとりである今村太平(1911-86)が, 映画を中心としたメディアを論じることで, いかに社会秩序を模索したかを考察する。今村は, 日本映画評論史において独自...
個人情報保護のため削除部分あり山崎闇斎によって唱えられた神道説である垂加神道の受容過程に着目し、垂加派の神道家が近世社会の中で文化資本をどのように獲得し、また再配分していったのか、を本稿では考察した。...
明治後期の改正教育令(明治13年)の公布以来、わが国の学校教育において筆頭教科であった修身科の授業は、1945年(昭和20)12月31日に連合国軍総司令部(GHQ)によって出された四大指令の一つ「修身...
特集 : 山本明コレクション福家崇洋, 上田学 編Special Issue: the Yamamoto Akira Collection本論文は, 「山本明コレクション」(京都大学人文科学研究所所蔵...